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手がカタカタと震える。ああ、どうしてこんな事になったのだろう。俺はもう4度も人から尊い命を奪った。この罪はもう許されないのだ。
―――怖い。もう嫌だ。
涙が零れてくる。拭うと、手に付いていた血の跡が滲んだ。もう、誰を撃った時の返り血なのかは分からない。
(あの頃に戻りたい)
(そう願ってももう遅い)
(今、この手が握りしめているのは、)
(ラケットなんかじゃなく、死の匂いが媚びり付いた拳銃なのだから)
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