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赤が目の前を踊る。屍は既に人間であった形を留めてはいない。ああ、綺麗だ。滑稽だ。もっと、もっと楽しませてよ。もっともっと、だめ、足りない、こんなんじゃ全然足りないんだ…!!!!
「はぁ、はぁ……は…はははっ…!」
―――なんだ、もう終わりかよ。俺は目の前の肉片を睨み付けた。
「ははっ……つまんねぇの…」
ちょっと興奮が冷めた。俺まで返り血浴びてベタベタして気持ち悪ぃ。相手のデイパックから水を取り、手足を洗った。
―――がさ、
草むらから物音がした。
俺はゆっくりと振り向くと、そこには俺の大好きなあの人がいた。
「…ぁ…あか、や…?」
「……あれ、柳先輩じゃん」
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