左手の麻痺

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左手の麻痺

中学生になった 相変わらずまだ左手のギブスは取れていなかった ある日、ギブスと左手に固定された4本の針金を取り除くため病院に行く日がきた ギブスを外したあと、部分麻酔がかけられ、手首にあった4本の針金が取り除かれた 針金を取り除いていた際、麻酔の効き目はほとんどなく激痛が走ったが我慢をしていた 「痛い」なんて言えなかった 針金を取り除いて数日が経ち、左手のある異変に気付いた 左手の親指の感覚がなかった 麻痺していたのである 手術の後遺症であった この頃までは必死に左手で字を書く練習をしていたがもう限界であった あまりに代償が大きかった 左手で書こうとしても麻痺し、感覚がなかった為、うまく書けなかった 字が書けない辛さというものがこんなにも理不尽だとは思わなかった。
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