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嘘だろ!?
嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!
「はぁ…はぁ…」
薄暗い路地裏を全力で走る。
明るいところはダメだ。
影が来る。
さらに細い道に入り込んだが……。
「くっそ!!行き止まりかよ!!」
周りを見渡す。
裏口だろうか、一つの小さな扉が脇にある。
すがるように取っ手につかみかかると、扉は開く。
俺はまだツイてる。
中に入り扉を閉めると、さらに幸運なことにそこは真っ暗だった。
ここには影は出来ない。
俺の勝ちだ。
扉を抑えるように背中を預ける。
外からコツコツと足音が聞こえ、扉の前で止まる。
影さえなければ奴はただの人間。
自分が勝ったことに笑いをこらえられなかった。
「くくく、うひひひ…。俺の勝ちだ!!俺は風紀委員(ジャッジメント)からも警備員(アンチスキル)からも、さらにはあの影法師(シャドークレイマー)からも逃げ切った!!俺は誰にも捕まらない!!」
高らかに勝利宣言をしてやると外から声が聞こえた。
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