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「レベル3の空間移動能力者(テレポーター)か」
「そぉだよ!!能力が分かったみたいだけどざぁんねんでした!!」
思い切り馬鹿にしてやると、影法師はため息をついた。
完全勝利だ。
思った瞬間、影法師は言った。
「真っ暗ってのは影がないわけじゃない。完全に光を遮断した……影」
は?
突然、俺のいた暗闇がざわざわと動き出す。
何も見えない。
だけど、いる。
影が。
「あぁぁぁアアァあぁぁぁアアァあぁぁぁァァ!!」
■
悲鳴を耳にした後、俺は本部に連絡する。
「あー、もしもし。終わったよ」
『了解。風紀委員が一人そっちに向かってるから、その姿チラッと見せて帰って来て』
「了解」
電話を切り、自分の姿を見る。
黒いロングコートで全身を覆い、そのフードを目深にかぶっている。
明らかに怪しいが『影法師』を強調するためなので仕方ない。
そんなことを考えていると、突然声をかけられた。
「ジャッジメントですの」
声をかけるというか宣言だなこりゃ。
声の主を見る事もなく、俺は駆け出した。
しかし……。
「逃げられませんわよ」
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