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「最悪ですわ……」
ファミレスのテーブルの上に顎をのせて、思わず愚痴をもらしてしまう。
「どうしたのよ、黒子?」
でも、お姉様に心配してもらえるの嬉しいことですわ。
「昨夜、例の影法師が現れたと連絡がありましたので、こっそり寮を抜けて確保に向かったのですが……」
「あんたまたそんな単独行動して。初春さんに起こられるわよ」
「初春には内緒にしてくださいまし。それでその影法師に逃げられまして」
「影法師ねぇ」
「逃げられただけでなく、また勝手に風紀委員が追ってる犯人をのしてくれていましたの」
今月に入って六件目。
勝手に犯人をのしてくれる影法師のおかげで、最近の風紀委員や警備員は駆けつけるのが遅いし、調査も遅いと上から叩かれる。
「それに昨夜は私を馬鹿にしてくれる始末!!きぃー!!」
「まあまあ、いいじゃない。犯人をのしてくれるなら悪い人じゃないんだし、放っておいても」
「ダメですわ!!許せませんの!!とりあえずは犯人への暴行ということで捕まえますわ!!」
顔をお姉様に近づけ、高らかに宣言する。
「影法師は私が捕まえますわ!!」
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