過去の忘れ物

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「あ……はい。袴田さんも元気そうで。」 笑顔を作っていいのか正直迷った。 袴田さんとはあの日以来会うことなく店を辞めてしまったから。 大輝くんが店にいきなり来て叩かれあの日。 どんな顔で袴田さんやよっちゃんに会えばいいのかわからなくて……だから正直ほっとした。 会うことなく辞められたことに……でもどこかでずっと気にしてた。 まさかこんな所で出会うなんて……。 奈緒はアイスティーの紙コップを両手で握るように持つと恭介に視線を向けた。 それに気づいた袴田は微笑んだ。
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