過去の忘れ物

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「俺に話さずにいようと思ったのは……俺が寝てて知ることができない時のことだから……言わなくても分からないからか?」 「そういうつもりじゃ……。」 「さっきの客に会ったから仕方なく俺に話したんだろ? もし会ってなくても話したか?」 「………。」 黙って俯く奈緒を見て恭介は言った。 「……俺は奈緒に隠し事なんてねぇ。」 顔を上げた瞬間奈緒の手からゆっくりと恭介の手が離れていった。
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