過去の忘れ物

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「そりゃあたくさんいるだろ。あんだけ可愛くて良い子なんだから。 例えば……俺とか?」 そう言いニヤリと笑う陽平を恭介は手で追い払った。 「誰かに……か。」 恭介の頭に袴田の顔が浮かんだ。 早く謝るって言われてもそれじゃ何の解決にもならねぇんだよな。 ポケットから携帯を取り出すと画面を確認する。 「やっぱ何も来てねぇか。」 奈緒も頑固だからなぁ……。 でも分かってる。 問題は俺にあるって。 あの空白の4年が俺を不安にさせてるんだ。
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