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魔女は寒くて不衛生な地下牢に姫を鎖で繋いだ。
枷を付けられた脚が内出血をおこし、痛々しく赤黒くなっていた。
姫は頼んだ
「お願いします…やめてください、もうこんなのは…――」
ガッ
魔女は姫の腹を蹴り上げ、倒れた姫を踏み付けた。
「お前が悪いのよ?許しをこうべきだと私は思うけど、」
魔女は姫の髪を乱暴に掴み、顔を自分の方に向けた。
「可愛い姫、お前の美しい顔は傷つけはしないよ?だからさ、さぁ私にもその綺麗な美しい顔で微笑んで見せてよ」
怯えや怖れ嘆き悲しみ恨み
負の表情で強張り、涙でぐちゃぐちゃになった姫は、嘘でも微笑むなど器用なことは出来なかった。
「笑って?私にも見せてよ?あの王子に見せたような表情を!明るい声を!!!笑え!笑エヨォォォォォ!」
先程の言葉とは裏腹に魔女の拳が姫の左頬を殴った。指輪の宝石が姫の頬の皮膚をえぐり、赤い血がドクドクと傷口から溢れでた。
姫は余りの痛さに声を出すことも出来ず、歯を食いしばった。口内に鉄臭さが広がる。
「まぁ!ごめんなさい!!!!大事な大事なお前の顔を傷つけてしまったぁああああ…ぁ!もうお前の容貌を美しいと愛でる者もおるまいね…!でも、心配しないで?私はどんなお前の姿も愛せるの。また私だけのモノになった」
涙と血が流れ止まらない姫の回りは大きな薄まった血色の水溜まりが出来ていた。
「許…して下さい…」
「なぁに?美しい姫?」
「許して下さい」
姫は依然止まらない涙や血で美しいとは言い難い容貌を引き攣らせながらも、精一杯微笑んでみせた。
「なんて、いい子なのかしら」
そういって魔女は姫の顔を包みこんだ。
すると血は止まり、涙さえも止んだ。
「ご褒美嬉しい?さぁ、綺麗な顔でもう一度笑って?」
姫は悔しさの色を、魔女に向けた満面の笑みで隠した。
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