三月二十九日

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任務達成の其の瞬間まで少しでも多く役立つ事が出来る如く心技の練磨に邁進せむ。 午後愛機の器材取扱法を実施。 一度修習せる機種なるも、任務達成の絶対唯一の武器であり、又命中の日までの死生を同じゅうする愛機なれば研究の余地多々有り。 十六時頃、偶然にも仙台養成所時代の同期、綿貫軍曹、立川より飛来、一時間余、養成所時代の事、三期生の消息等、なつかしい想い出話に花を咲かす。 彼等も間もなく前線出発との事、成功を祈る。 同期も大分戦死との事、 靖国神社の同期生会に立派な武勇伝の一席、土産に出来る如く努力せむ。
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