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『あの…すみません…』
『いらっしゃいませ!』
『外にある物件…見たいんですけど…』
ついに私も! 東京都民!
もうちょっと先だけどね…
憧れの一人暮らし!
なんて…
いざその日が近づいてくると…
ちょっと…
いや、かなり不安…
この三連休を利用して、私は春から住む部屋探しと、東京の下見に来た。
『…ということです、あとは実際にお部屋をご覧になられたほうがいいと思いますので、お車でご案内いたします! 山野くん!』
『は、はい!』
『お客様を物件までご案内してください…』
『はい! かしこまりました!
私、新人の山野灯(ヒカル)と申
します! ただいまより、お部屋
のほうへご案内いたします!』
『あ、はい… よろしくお願いします…』
新人…くん…大丈夫?
まぁいっか、見るだけだし…
彼が車を回してきた。
私がドアに手をかけようとした時
彼は飛び降りてきてドアを開けて
くれた。
『危ないです! ボクが開けます
から!』
『は?』
『静電気が…痛っ!』
彼がドアに触れると、パシッと音
をたてて静電気がおきた。
私は思わず吹き出してしまった。
でも、その気遣いがすこしだけ…
うれしかった…
『万一の事故のためにシートベルトをおかけください!』
『はい…』
『では出発いたします! 物件までは約20分ほどで到着いたします!』
でもなんか大袈裟すぎだよ…
契約しなきゃいけなくなりそう…
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