ヒカルのヒカル風

4/62
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/62ページ
『鹿児島から上京じゃ、ご両親は心配ですね…』 『母は賛成してくれました… 父は猛反対です、今も…  でも向こうじゃあまり仕事ないから…』 『差し支えなければ、どんな仕事に就かれるんですか?』 『インテリア関係です、デザイン事務所…』 『デザイナーさんですか! いいですね…学校は…』 『専門です、二年制の…』 『じゃあ即戦力ですね! うらやましいなぁ… ボクなんか経済学部なんで不動産 のことなんてさっぱりです…』 『一応資格は取りましたけど… 私も不安です、仕事も生活も…』 『この物件はセキュリティは万全 です! ご安心ください! 本当はボクが…あっここです! 着きました!』 話しの途中で現地に着いてしまっ た。 ボクが…なに? 『あ、はい…』 家賃は6万円を越えないこと… それが私と母との決め事… っていうか、それ越えたら生活が出来なくなる… 初任給は安いし… 『へぇ、立派な建物ですね… これで、あの家賃ですか?』 『はい、ありがとうございます! 駅は十条駅まで徒歩5分くらいに なります!』 『その駅から新宿まではどれくら いですか?』 『約10分くらいです、お勤めは 新宿ですか?』 『はい…』 『ならここはいい場所ですね… ではお部屋のほうへどうぞ…』 オートロックで3階以上… 母との決め事その2… ここまではそれが叶っている。 私が案内された部屋は302… 中に入ると彼が部屋の案内をはじ めた。 が、ふと止まった。
/62ページ

最初のコメントを投稿しよう!