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夏は過ぎ、スポーツがしやすい秋がやってきた。
最初はただ竹刀を振り回していただけのチャンバラごっこみたいだったが、もうこの頃には剣道らしい剣道がみんなできるようになっていた。
俺の得意なのは籠手(こて)である。当たり前といったら当たり前か。
なんせこの頃の俺は、身長が150cmをやっとこえたくらいだったので、俺と同じくらい、もしくは俺より小さい相手なんてそうそういない。
俺より背の高い相手に、面vs面では勝つことはなかなか難しい。
だから面よりも低く、手前にある籠手なら俺でも1本を取りやすく、得意技になっていくわけだ。
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