星良の恋愛

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その日、星良は帰宅するといつものように勉強道具一式を持ってある場所に向かう。 「あら、星良ちゃん。今日は早いね」 「星良ちゃん、後でお菓子持ってくから一緒に食べよう?」 「星良お姉ちゃん、後で遊んでね」 色んな人から声をかけられ、笑顔で答えていく。こんなやりとりをしながら辿り着いたのは、黒須総合病院の最上階ラウンジ。窓際の一番奥が星良の指定席になっている。 窓から見える景色は町全体が見える。夜は夜景も綺麗だ。 広々とした空間で、ちょっとした喫茶スペースもあるラウンジに星良はほぼ毎日通っている。自宅で勉強するよりも数段捗るのだ。 そんな星良は病院の患者さんや職員からも可愛いがられていて、さっきみたいに沢山声をかけられる。でも、星良が勉強しに来ていることを知っているから、星良が来てから2時間後に行くようになった。これは、自然に出来た暗黙のルール。
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