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ーー遡ること3週間前ーー
校内模試を控えていた星良は、この日も学校が終わるといつものように勉強していた。高校3年生のテストの結果は大学受験に大きく関わってくるため下手な点数は取れない。
星良ならどんなに悪くても85点以下は取らないであろうテスト内容でも、自分の人生がかかってくると思うと真剣になってしまう。
星良「ん~~分かんない・・・」
この日、珍しく解けない問題に遭遇し、参考書を何度も見ながら問題と格闘していた。
水原「星良ちゃんが分からないなんて珍しい。これから雨でも降るのかな?」
そんな時、偶然通りかかった水原が声をかけてきた。
星良「残念ながら今週は快晴が続くみたいですよ?それに私、数学が少し苦手なんです。今もこの問題が分からなくて・・・」
水原の問いかけに対して、笑顔で対応するも頭の中は問題のことでいっぱいだった。
すると水原は星良の横から問題を覗き込み、ふっと笑った。
水原「星良ちゃん。俺と取引きしない?」
すると星良は怪訝そうな表情で水原を見る。
星良「・・・取引き?」
水原「そう。俺がこの問題・・・いや、今度のテスト範囲内で分からない問題教えてやるよ。その代わり、君が全教科100点をとったら俺の頼みごとを聞いてくれない?」
星良「教えてくれるのは嬉しいんですが、先生の頼み事は聞けないと思いますよ」
水原「なんで?」
星良「どう考えたって、全教科100点は無謀ですよ。今までだって取ったことないんですから。」
星良は淡々と答える。しかし、水原の反応は違った。
水原「いや?星良ちゃんは今度のテストで100点取れるよ。いや、俺が教えてやるから間違いない。」
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