101人が本棚に入れています
本棚に追加
/460ページ
「はぁ~~~」
レントは大きなため息をつきながら、自分の部屋のベッドに横になって天井を見ていた。
あれから、卵を隠して急いで孤児院に戻ったのは良いのだが、あたりはもう真っ暗だった。
勿論、そんな時間に帰ることなどはとうてい許されるわけが無いと思っていたのだが・・・
「レント!!!」
怒られると思いながら憂鬱な気持ちで帰路についていたレントだが、怒られることはなかった。
孤児院に着いて、まず声をかけてきたのがルクスだった。
あの後、グランが落ち着いてから孤児院に来てくれたのだという。
それで、レントが大変だと言うことを院長のアンナさんに説明すると、それからが更に大変な話になった。
事態を重く見たアンナさんは警備隊に連絡し、実際警備隊がレントが襲われた場所まで赴いたという。
しかし、そこにはレントも奴の姿もなく、それからはレントの捜索に変わったとのことだ。
しかし、隠れ家にいたレントを見つけることの出来る人たちではなく、結果的に事態を重大視させることとなり、最終的には第三級討伐隊まで出動させてしまったとのことだった。
それを聞いたレントは頭が真っ白になった。
「ともかく、無事でよかったよ・・・。
ホントによかった」
「そうよ、無事で何よりだわ。
・・・疲れているところ申し訳ないんだけれど、向こうで討伐隊の方が直接話を聞きたいそうなのだけど」
アンナが指さす先には、いくつかのテントがあり、テントの前には何人かの見張りが立っていた。
その人たちは指を指されていることに気付くと、軽く頭を下げた。
「そうですか。じゃあ行ってきます」
レントはそういうと、見張りの人たちの方に歩いていった。
最初のコメントを投稿しよう!