prologue

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一人の青年がコツコツと廊下を歩いていた。 とくにセットがしてない黒色の短い髪、黒縁のメガネ、ネクタイとワイシャツにズボン羽織っている無垢の白衣。 そんな青年の後ろをついてくる一人の少年がいた。 黒色のセミロングの髪は雑に一つに束ねてあり、青いつなぎを着ている。つなぎの上はだらしなくチャックが開けてあり、Tシャツがチラチラと見える。 そんな二人は一つの部屋の前に立ち止まり、中に入った。 ソファーに寝転び、ゲームをしている男がいた。 まだ若く、青年と言っても過言ではない。 「ノック位しなよ。吃驚しただろ」 男はそう言いながら、ゲームの電源を切り、ソファーに座り直した。 そんな男に青年は“失礼しました”とだけ言う。 「まぁ構わないけどね。で…なんか情報入ったの?」 「今報告がありました。姫を含む三人が旅にでたそうです」 青年はそれだけ告げる。 「そっか。じゃあ捕まえ易くなるんだね。所で剣いつまでそんな暑苦しい格好してるのさ」 男が言うと、剣と呼ばれた青年はハァと溜め息を吐いて、ネクタイに手をかけた。 そのままネクタイを緩め、ワイシャツのボタンを二、三個外した。 「で、好基。お前は相変わらずか」 「何がー?」 好基と呼ばれた少年はニコニコ笑う。
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