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「そろそろ街に入るね」
フードの中から顔を少し見せながら舞夏は呟く。
目の前には街の入り口と思われる門があり、その門の両端に見張りの大柄の男が立っていた。
「うわー。こんな暑い日にあんな暑苦しい奴らと喋れとか」
朔哉は冗談っぽく呟き、拓也はそんな兄を見て、ハァと溜め息をつき、舞夏に向く。
「姫。フード取っていいよ」
拓也は舞夏に言うと、舞夏は頷いてフードを外した。
門の前につき、舞夏達は男に止められるが事情を話し中に入った。
入って、すぐに出店が立ち並ぶ商店街があった。
人々の声が混ざり合あい、賑やかな光景が広がる。
「舞夏はこんな商店街は初めてじゃない?」
朔哉は舞夏に言うと、舞夏はコクコクと頷いたのだ。
一回も城から出たことのない舞夏にとっては吃驚する光景だったらしく、拓也の後ろに隠れている。
「じゃあ時間的にお昼だからなんか食べようか」
そんな舞夏の頭を拓也は優しく撫でながら言うと、舞夏は頷いたのだった。
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