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二人の足音が遠くなるのを聞くと、朔哉は言葉を発した。
「俺は短気なんでね。いつまでも待ってられない。さっさと答えを聞こうか」
「はッ!言うとでも思ってんのかァ?」
ヒヒっと笑いを零す男に朔哉は無表情で蔑んだ。
「言う気が無いのならこうするまでだ」
その言葉と共に朔哉は力強く男を蹴り上げた。
その反動により宙に舞っている男を切り裂いた。
「あ゛ぁ゛ッ!?」
切り裂かれた所から血が吹き出し、天井を真っ赤に汚す。
落ちて来る男の腹に剣の柄を使い力強く刺した。
「あ゛ぁああ゛ああっ!!」
男は大量の血を口から吐き出す。
「今ので肋骨が折れて膵臓が潰れた」
「き……貴様ぁっ!!」
ヒューヒューと苦しそうに喘ぐ男に向かって朔哉はニッコリと笑う。
「科学者達に言うんだな。姫を連れ去りたいなら俺達がいる事を忘れるなってな」
それだけ吐き捨てると、男の背中から心臓に剣を突き立てた。
「と言ったって。お前には無理か」
息絶えた男に背を向け朔哉は剣をしまった。
あれだけ血が吹き出ていたのに朔哉には返り血の一滴でさえついてない。
朔哉はとくに疲れた様子もなく国王の元に向かった。
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