第2話

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ネロ=アロスは、怪光線を難なくかわすと、左腕の聖弓から法力が形成する光の矢を放った。 「アロス・ゴーガン!」 光の矢はウォンバットのすぐ右側を通過した… 命中はしなかったのだ。 「ふふ…下手くそめが!」 ウォンバットは体勢を立て直すと、アロスにむかって降下してきた。 どうやら、アロスは遠距離戦が得意と踏んだらしく、接近戦に持ち込んで決着をつけるつもりのようだ。 だが、アロスは余裕たっぷりの口調で降下してくるウォンバットを見ながら言った。 「僕は…父からあらゆる戦い方を叩き込まれた。 場所も…状況も選ばぬ戦い方を! バイザー・オン!」 アロスはマスクに取り付けられている、額まで上がっていたバイザーを下ろし、拳を構えた。 バイザーオンとは、聖弓アロスに秘められた戦闘能力を最大限に引き出す事が出来る…いわば、必殺モードに移行するシステムなのだ。 当然、体力を大幅に消耗するために多用は出来ない。 アロスは、バイザーオンによって攻撃力が高められた光り輝く右拳をウォンバットに炸裂させた。 「ぐわぁぁっ!」 悲鳴をあげながら、吹き飛ばされるウォンバット。 さらに、アロスは空中高く飛び上がって、必殺のキックを放った。 「ハアァァァッ!!」 腹部に強烈なキックを受けたウォンバットは、断末魔の悲鳴をあげ、爆発四散した。 村の若者たちは、見事にウォンバットを倒したアロス=ネロに拍手喝采を浴びせた。 「それでは、行きます。 あとをよろしくお願いします。 長老、皆さん。」 ヘキサシールドと聖弓アロス、そして魔刻計を携え、ネロはしばしの別れを村の皆に告げた。 「666秒… 一度の装着の限界時間じゃ。 くれぐれもそれ以上は使うでないぞ。」 「はい。」 タチの別れ間際の言葉に表情を曇らせるネロであったが、第一の目的地である極東…日本へ向かうネロ自身には迷っている時間さえなかった。 タチによって手配された輸送機に乗り、ネロはレーヴェル島を後にした。 つづく
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