第2話

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物語はネロ・イシュザークと、今回の事件の『はじまりの日』となる6年前まで遡る… 世界地図のどこを探しても見つからぬ、歴史より葬られし島…レーヴェル この島に住む2人の戦士が、互いに武器を構え向き合っていた。 一人は長い金髪に髭をたくわえた中年の男。 もう一人は、美しい金髪と瞳を持つ優男であり、まるで邪な感情など一切持ち合わせていない、天使のような容姿を持つ少年。 「ネロ、手加減無用だ! お前もこの『ハシル・イシュザーク』の息子ならば… この試練を乗り越えよ!」 「だけど…父さん!」 中年の男はハシル、少年はネロ… 会話から察するに2人は親子である。 では、なぜこの2人は戦わねばならないのか… 「ネロよ、この刃をかわし俺を射るのだ。 それが伝承者としての宿命!」 ハシルは手に持った剣を構え、ネロに斬りかかる。 ネロは思わず目を閉じたが、無意識で手に持った弓の弦を引いていた。 「うわぁぁっ… 父さぁぁぁんっ!」 「そうだ、ネロ。 それでいい!」 ネロの放った矢はハシルの胸を貫通。 ハシルは持っていた剣を落とすと自らも倒れた。 足を震わせながら倒れたハシルに近づくネロ。 ハシルはもはや天に召される直前であった。 ハシルは力を振り絞ってネロに告げる。 「ネロ、よくやった… 宿命を背負う者は一子相伝でなければならない… 分かるな?」 ネロは、涙や鼻水でくしゃくしゃになっている顔で、声を震わせながら答えた。 「だからって… おじいちゃんや母さんまで殺す必要があったの? 僕には…こんな宿命重すぎるよ!」 「いずれ分かる時が来る… お前が『輝鋼士(きこうし)』として目覚め、戦う日が来れば…」 そう言い残し、ハシルは息を引き取った。 「父さん… 父さぁぁぁん!!」 そして6年の月日が流れた。
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