目隠し

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涼しい秋に入り、暑かった夏の日に遊んでいた頃とは違い、今は一つの遊びしかしなくなった。 その遊びも始めのうちは楽しかったが、盲目のこの子には次第に辛くて酷しい遊びとなっていった。 今日もいつもの目隠し鬼、最初はじゃんけんで決めていたけど、今ではじゃんけんしなくてもこの子が鬼となっていた。 終わる事のない鬼、誰も捕まえる事の出来ない鬼、手の鳴る方へと向かう鬼、何も変わらないまま陽が暮れる。 今日も子供達の会話が聞こえてくる、「鬼は誰?」 「鬼はこの子だよ」 「鬼は君だよ」 「君は鬼だからね」 「君が鬼だからね」 「君が鬼だよ」 「おまえが鬼だよ」 「お前は鬼だ」 何日も何日も言われ続けられた言葉、始めは嫌だった、でも今では… 「鬼は誰?」 「鬼はこの子だよ」 「鬼は君だよ」 「君が鬼だよ」 「君は鬼だよ」 「お前が鬼だ」 「お前は鬼」 いつまでも繰り返される子供達の言葉に盲目のこの子は次第に… 「僕が鬼なの?」 「僕は鬼なの?」 「僕が鬼かもね」 「僕は鬼かもね」 「僕が鬼だよ」 「僕は鬼だよ」 「鬼だから僕は…」
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