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「―――アキ…!!」 間一髪のところで、果物ナイフと、暁が愛用しているシルバーの拳銃がかちあった。 「由利!…どうしちゃったの!?由利、やめてよ!!!」 千里がたまらず叫ぶが、その言葉に耳を貸そうとしない由利。 「―――きゃ!?」 あらぬ方向に首を曲げ、千里を見た。 『…あんた、うるさいよ…』 「―――…!」 目の前で繰り広げられるありえない光景に、千里はへなへなと膝をつき、吏優はあわててその体を支えた。 「…ちーちゃんっ!」 「あれ…あれ…何!?何が起きてるの!?」 ―――とりあえず、千里をそとに出さないと… ちらっと暁が千里に視線を移した瞬間 『手元がお留守だよ!暁の太陽(アカツキノヒカリ)!!』 ヒュっと果物ナイフが空を切り、 「…いっ…!」 暁のほほを軽くかすめた。 ぎゅるんと由利は暁に向き直り、にやりと笑う。 『あれぇ。はずしちゃったよ…フフフフ…』 「…いってぇなぁ…狙うなら、首元だろ?へたくそ。」 一筋垂れた血を拭い、暁は銃を構えた。 『だめだよ…あんたが撃てないの、知ってるよ?』 かくん、とまた首を垂れる由利。 ナイフについた血をぺろりとなめとって、微笑を浮かべた。
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