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―――魔物を払うことができる銀の銃。ただしその正体がつかめない相手には、効き目がない。
どうする!?
どうすればいい!?
銃が使えない。
なら、対術に持ち込む?
それもだめだ。
それは、由利自身の体に傷を負わせる結果になりかねない。
一体、どうすれば!!!!
襲いかかってくる、由利ではない誰か。
暁はその攻撃を防ぐので精いっぱいだった。
そんな由利を止めたくて二人に近づこうとする千里を、必死で止める吏優は不意に何かの視線を感じて、教会のステンドグラスを見上げた。
―――え?
暗くてよく見えないが、いる。
誰かが。
人じゃない。
瞬間、その人影が何かを構えたのが見えた。
…あれは、弓!?
「――――…アキ!!!後ろ!!!」
「―――…え?」
暁が振り返る瞬間と、その人影が弓を放つ瞬間はほぼ同時だった。
「―――…!!!」
暁の頭にあったのは、由利の体を傷つけない。
ただそれだけだった。
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