第2話

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悲惨な状態となってしまった市街地。 レイドは、国防軍の増援や報道関係の人間が来る前にその場を立ち去ろうとするが… 「待てよ、化け物!」 「!!」 レイドの前に忽然と現れたのは、ペーシェンスのメンバーである一之瀬壱輝と四井猪雄だった。 一之瀬と四井は、それぞれ、かつてのディーヴァシステムやエックスタイプに酷似している鋼鉄製のバックルが付いたベルトを腰に巻いていた。 一之瀬のバックルには『Ⅰ』、四井のバックルには『Ⅳ』という文字に似た装飾が施されている。 「何か用か? 日本の支配を企んでいた馬鹿な連中は俺が倒した。 国防軍の連中が出る幕はもうないはずだが…」 レイドは一之瀬たちに問い掛けるが、一之瀬は不敵な笑みを浮かべながら答えた。 「それが、あるんですよ。 エヴォル人であるあなたもこの国にとっては不要な存在と認識します。 消えてください。 変身っ!」 「変身っ!」 一之瀬と四井がバックルに付いているスイッチを押すと、2人の体は鋼鉄の強化服に包まれていた。 一之瀬は、グレーのカミキリムシのようなマスクの『ナンバーⅠ・アインス』、四井は、茶色と白のツートンカラーのバッファロー型のマスクの『ナンバーⅣ・フィーア』に姿を変えた。 「待て、なぜ俺と戦う必要がある!?」 レイドは戦う意志などなかったが、一之瀬と四井は全く聞く耳を持たず、レイドに襲いかかった。 まず一之瀬=アインスは、左腕の装甲をスライドさせ、その装甲の下に隠されていた5つのキーの内『W』と記されているキーを押し、『ENTER』のキーで確定させた。 その仕草はまるで、かつてレイドとともに戦った榊晃平のディーヴァシステムを彷彿させた。 すると、一之瀬の拳からは2本の鋭い牙のような物が飛び出した。 続いて四井も同じようにキーを押すと、マスクの頭部に付いていた角が鋭く尖って伸びた。 「行くぞ!」 一之瀬は拳に装着された牙でレイドに襲いかかるが、レイドは素早く身をかわして攻撃を寄せ付けない。 四井も鋭く伸びた角を立てて頭突きを仕掛けるが、レイドはヒラリと身をかわす。
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