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「ナンバーⅩ・ディエス!」
一之瀬が、十弥の装甲をまとった姿を見てそう呼んだ。
「貴様、本当に我々と戦う気か?」
四井も続けて言った。
甲殻類を彷彿させる鋭利なデザインのマスクと装甲をまとった十弥が、ゆっくりと一之瀬たちに歩み寄り…
「先に言ったはずだ。
俺はお前たちの動向を探っていたと。
そして、ついに証拠を突き止めた。
万丈博士は、ペーシェンスのメンバーを率いて国防軍を造反し、国家をひっくり返そうとしていることを!」
十弥の言葉を聞いた一之瀬はさっきまでとは打って変わって、トーンを落として重い口調で返した。
「十弥さん、最初の目的はそうだったかもしれませんが、あなたは半年もの間万丈博士が理想とする物を見、聞いて来たはずだ。
それでもあなたはその使命を遂げようとするのですか?」
任務だったとはいえ、半年もの間、苦楽を共にしてきたペーシェンスのメンバー。
あれだけの人数がいれば、中には十弥自身が心を許した者もいるだろう…
一之瀬の言葉に、十弥の頭の中に特に親しかった八神や二葉の顔が浮かぶが…
「俺は…
万丈博士の野望を阻止する。
それだけだ!」
十弥はそう言うと、左腕の装甲をスライドさせ、『W』と書かれたキーを押し、確定させた。
すると、マスクの前面部分が微かな光を放ちながら分離し、十弥の右手に装着され、刃渡り30センチほどの鋭い刃に変形した。
前面部分が分離したマスクは赤く大きな複眼をあらわにする。
「行くぞ一之瀬、四井!」
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