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「馬鹿な…なぜ俺の技を!?」
空中高く吹き飛ばされながら、四井は疑問をぶつけた。
「ディエスのシークレットスキルは、『コピー』だ。
九条が未完成と言ったのは、まだ何の能力もコピーされていない状態だったからだ。」
さらに、十弥は『G』のキーを押し確定させた。
限界突破の能力でスピードとパワーが大幅に増したした十弥は落下してくる四井にタイミングを合わせて、空中で回し蹴りを繰り出した。
鋭い回転から繰り出されたキックを受け、四井は地面に叩き付けられた。
着地した十弥は四井に息がある事を確認し、手を差し延べる。
「選べ。
この手を取り、国防軍本部で拘束を受けるか…
この場で死ぬかを!」
もはや虫の息である四井は、しばし無言だったが、息絶え絶えになりながら答えた。
「はぁっ…はぁっ…
貴様も死ねよ…十弥ぁっ!!」
力を振り絞って『S』のキーを押し、確定させた四井の体が大爆発を起こす…
どうやらナンバーⅣ・フィーアのシークレットスキルは『自爆』であったようだ。
十弥はいち早く悟り、後ろに大きくジャンプしていたために、巻き込まれずにすんだ。
「四井…バカヤロウ。
自爆なんてするんじゃねぇよ。
No.ⅠからⅤまでは、比較的早く完成していたからな…
随分前にマニュアルを盗み見させてもらった。
本当に使うとはな…」
十弥は、ベルトに付けられたスイッチの一つを押して装甲を解除した。
そして…
「あの、テロリストたちの出現はとんだアクシデントだったな…
もう少しで万丈博士の本拠地をつき止められたのに。
そうだ、あの人…
確か、暁亮さんだったな。」
十弥が倒れているリョウのもとへ駆け寄ろうとした時だった。
猛スピードで走って来た数台の国防軍の装甲車が十弥を取り囲んだ。
「国防軍…!
待て、俺は!」
その中の一台から、『少将』の階級章を付けた中年の男が降りて来て十弥に告げる。
年齢は重ねているが我々が見慣れている、その男は…
「国防軍少将、西城だ。
貴様を拘束する!」
それは、新たなる戦いの始まりだった。
つづく
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