第4話

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島田会長の話が一区切りした時、九条が席を立って皆の前に立った。 「島田会長、ありがとうございました。 私の方から今後の事について少し…」 島田会長は、軽くうなずくと、側に置いてある椅子に腰掛けた。 「この会社の地下にある施設を使わせてもらう条件として島田会長との約束が一つだけあった。 3名…出向社員として島田重工で働いてもらいたい。 もちろん、やってもらうことは『デックシステム』に関する事だ。 そこで、まだ完成には時間がかかる、ナンバーXIからXⅢの装着者である3人に頼みたい。 霜崎二尉、師堂二尉、切野一尉。 今から島田重工への出向を命じる。」 「はい!」 3人は立ち上がって敬礼し、島田重工への出向を承諾した。 「そして… これからの大いなる計画のために、協力してくださる方々を紹介する… どうぞ、お入りください。」 入口のドアが開き入って来たのは、国防軍の制服に『中将』の階級章を付けた中年の男と、スーツに身を包んだ壮年の男だった。 諜報活動を得意とし、政治家などにも詳しく多くの知識を持った二葉は、その2人の顔を見て驚く。 「(まさか…こんな人たちまで…!)」 九条は、2人の重鎮を全く憶せずに、淡々とした口調で紹介した。 「こちらは、国防軍の役員会にも名を連ねる百瀬中将、そして、財務省の高官でもある金田氏だ。 もちろん、この他にも名前は明かしてくれなくても協力してくれる先生方はたくさんいらっしゃる。 その紹介は改めて行うものとする!」 皆がざわめいた… 国防軍でも五指に入るほどの人物と、財政をも操れるであろう人物…そして、まだ多数の名のある人物が、この『クーデター』に協力しようと言うのだから… 「(このままだと本当に政界が真っ二つに割れ、国がひっくり返るかもしれない…)」 八神は、事の進行の早さにただ驚いていた。
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