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霜崎、師堂、切野の3人が島田重工へ出向し、8人となったペーシェンスのメンバー。
当面は、負傷した一之瀬を除き、デックシステムが完成している4人での作戦行動となるが…
島田会長から与えられた、地下の施設の一室で、万丈博士は話し始めた。
「一之瀬の右腕は、四井の自爆の際に紛失してしまった…
このままでは、今後の作戦に支障を来す恐れもあり…何よりも気の毒でもある。
そこで、国防軍本部から『ある物』を手に入れて来てもらいたい。」
「ある物?
博士でもそれを作ることは出来ないのですか?」
八神が思わず質問し、万丈博士は苦笑しながら答えた。
「うむ、金属関係の部品ならば多数取り揃えてあるし、わしの技術ならばある程度製造も可能じゃが…
7年ほど前に国防軍が開発した、ある特殊な素材だけがどうしても手に入らなかったのだ。」
「アーマードスキンですね。」
二葉が即答し、万丈博士はそれにうなずく。
「かつての忌わしい事件『暁教授の乱』の際、同じように右腕を失い、体をズタズタにされたディーヴァシステムの装着者…現・榊晃平一佐はその技術と、コールドメタルボーンによって一命を取り留めている。
コールドメタルボーンは、時間はかかっても精製は可能だが、アーマードスキンには特殊な素材が多く使われており、大きな費用と時間を費やす。
それを奪取してきて欲しいのだ。」
続けて九条が、作戦を説明する。
「今回その任務に当たるのは、各種レーダー機能やジャミング機能などを備えた…
ナンバーⅡディオレ。
二ノ宮二葉三尉を指名する。」
「わ…私?!」
二葉の動揺は最もである。
アーマードスキンを盗み出すことはともかく、下手をすれば国防軍と一戦交える事になる。
もちろん十弥とも…
「なお、護衛役として、『無敵の盾』を装備したナンバーⅢトゥレイス…三橋道山曹長を指名する。」
「御意!」
スキンヘッドで髭をたくわえた男・三橋が立ち上がって敬礼した。
「十弥くん…私…
どうしたらいいの?!」
突然の出撃命令を受けた二葉は張り裂けそうな気持ちを押さえるので精一杯だった。
つづく
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