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その事件は、市街地の中心の大爆発から始まった…
数年の間、警察の手に負えないほどの事件もなく、人々の心も国防軍もその状態に慣れ切ってしまっており、その犯罪者たちの出現はまさに寝耳に水であった。
武装を施された10台ほどの装甲車が市街地を爆走しながらミサイルを撃つ。
その爆発に巻き込まれて、多くの建物が倒壊し、多くの死傷者が出た。
平和に日常を送っていた人々は、たちまちパニックとなってしまった。
装甲車の一台に乗っている犯罪者たちの指揮官らしき、口髭をたくわえた中年の男は、マイクを手にし恐れる人々に宣戦布告をした。
「この国は腐り切っている!
新政府…そしてそのカスどもに尻尾を振る国防軍という名の腐り切った軍隊!
これは、天命のもとに我らが行う『浄化』である!
我々は現代に甦りし義賊『ギルパワード』!
その頂点に立つ、この『ヴァイ・ドルマン』この国を素晴らしき物にしてみせよう!」
明らかに、このギルパワードという組織とヴァイ・ドルマンと名乗る男はおかしい…
人々はそう思いながらも、武装した彼らに為すすべがなく、逃げ惑うばかりであった。
ギルパワードたちを鎮圧するために、メタリックブルーに塗装された量産型ディーン部隊が到着したのは、多くの犠牲者が出てしまった後だった。
「出たな、国防軍の特殊部隊。
だが、貴様らが強化服を主力としている事はすでに心得ている…
数年前からその性能が進歩していない事もな。」
ヴァイ・ドルマンは、部下に何か合図を送ると、三台の装甲車が停車し、中からディーンシステムより強固そうな外見を持つ黒い強化服を着た3人の戦闘員が現れた。
それぞれが巨大なバズーカと接近戦用の棍棒を装備している。
「ハルク、バーナード、ジャマール。
遊んでやれ!」
「了解!」
強化服をまとった3人は、7人いるディーン部隊に向かって突撃していった。
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