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国防軍本部敷地内、新兵器開発室の会議室では…
白髪の科学者らしき老人を取り囲むように、13人の男女がモニターされている国防軍とギルパワードの戦いを見守っていた。
「性能差がまるで違います…
ディーン部隊は全滅ですね。」
パソコンに向かい、ディーンシステムとギルパワードの強化服の戦闘能力を測定していた女性隊員、二ノ宮二葉(にのみやふたば)三尉がつぶやく。
それを聞いた、かなり大柄の男、四井猪雄(よついししお)は、指をボキボキ鳴らしながら言う。
「博士、出撃しましょうや。
俺たちの『デックシステム』ならば、あいつらを簡単に鎮圧出来ますぜ!」
その隣にいる、美形の青年、一之瀬壱輝(いちのせいつき)は、それを聞いて呆れたような表情で言う。
「四井さん、僕たちの目的はあんな『小物』を鎮圧することじゃないはずです。
このまま、あのゴロツキどもと国防軍の主力部隊が潰し合えば後のことが随分楽になるじゃないですか。
そのために僕たちは各支部から集められ…
万丈博士の考えに賛同して秘密裏に計画を練ってきた。
そうでしょ?博士。」
一之瀬の言葉に、万丈博士はうなずきながら返した。
「ウム、一之瀬の言うとおりじゃ。
この腐った国防軍を…日本を浄化するのは、あのゴロツキどもではない…
新兵器開発室と名を借りておるが…
無能な長官のおかげで隅に追いやられた我々のような優秀な人間が、この国を救う力にならねばならない!
我々、『ペーシェンス』が!」
我々こそ優秀な人材の集まりであると嘯く万丈博士…
この半年の間に各地から集められた優秀な隊員たちはすっかり万丈博士に感化されていた…
このペーシェンス部隊の真の目的は、腐った人間の集まりである現在の国防軍を壊滅させることにあったのだ。
士気が高まるペーシェンスのメンバーたち。
その中で一人、ナンバーⅩ・ディエスのコードネームを与えられた十弥刃だけは複雑な表情でモニターを眺めていた。
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