61人が本棚に入れています
本棚に追加
市街地からほど近い居酒屋『えびはら』。
ここには、自身も生体兵器のエヴォル人でありながら、7年前、同朋たちの野望を阻止した青年、リョウ=暁亮(あかつきりょう)が店主である海老原秀作の下で、店長として働いていた。
ニュースを見ながら夕方の開店準備をしていたリョウは、街で起こっている大惨事を知る事となる…
ニュースに映っているのは、ギルパワードの3人の戦闘員によって次々と倒されていくディーンシステムだった。
「国防軍が子供扱い?
何なんだ、あいつらは?!」
テレビから目を離さずにいるリョウが気になった秀作は、ふと7年前のことを思い出しながら言った。
「リョウ君、君は確か以前も街が大変な事になるたびに飛び出して行ったな。
今回も…気になるのか?」
「いえ…俺には…」
うつむいて答えるリョウ。
だが、秀作は首を横に振りながら続ける。
「いつも言っていただろう。
君の素性や行動には一切口出ししないと。
それは今でも変わりない…」
リョウは、付けていたエプロンを外すと、秀作に一礼だけし、外に停めてあるバイクに乗って市街地に向かった。
そして…
「約束したんだ…
あの人と。
あの人が留守にしている時は、この街は俺が守ると!」
市街地の近くにバイクを停めたリョウは、胸の前で腕を十字に構え、力を込めた。
リョウの体が僅かに肥大し、鱗のような赤紫の装甲でおおわれた、龍のような超人に姿を変える…
そして、背中に出現させた翼を羽ばたかせ、市街地へと向かって飛び立った。
ギルパワードの3人の前にディーン部隊は全滅…
全員が容赦ない攻撃を受けて死亡していた。
新兵器開発室でそれをモニターしていた二葉が報告する。
「ディーン部隊全滅。
敵は…ほぼ無傷です。」
「フム…もう少し健闘してくれると思ったが…」
万丈博士は肩を震わせて笑いながら言い、ついに出撃命令を出そうとするが…
二葉がモニターの異変に気付いて叫んだ。
「待ってください、何者かが敵の前に立ちふさがりました…
これは…データにあります…エヴォル人、バリーエヴォルです!」
「バリーエヴォルじゃと?!」
時は西暦2017年。
新たな戦いが始まる!
つづく
最初のコメントを投稿しよう!