溶ける熱

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「ラビ――っ」 掻き抱かれる背に手を伸ばしてしがみつく。温かい。戦闘の中では感じることの出来ない温かさがここにはある。 「……ぁ」 ラビの吐息が耳にかかる。背中をぞくりとした快感が走る。 「アレン」 「ら、び……」 結合した部分が熱い。 濡れた音が響いて耳を犯す。 咥内をラビの舌で塞がれ、乱れた息は余計に荒れる。この苦しいまでの快感に、目の前で揺れるラビの赤毛をぎゅっと掴んでいた。 ラビが動く度に揺れる腰。 同じタイミングで掴む力は強くなって、気づいたらラビがいつもしているヘアバンドがどこかへいっていた。 降りた髪が鼻先を擽る。 それがむず痒くて、避けようとすると腰をグっと掴まれまた唇を塞がれる。 ここはとても熱い。 己の口からは自分のものとは思えないほど甘い声が漏れる。それがまた耳を支配して、脳が麻痺したように溶けていく。 ココハトテモ、熱イ。
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