1章

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「そろそろ起きないと学校遅刻するよ~!」 母の声がする…もう起きないと ベッドから起き上がり2階の自分の部屋から1階 の洗面所へ行き顔を洗い歯を磨き髪を後ろで纏める ケータイの時間を見ると7時50分 遅刻は8時5分からで家から学校までゆっくり歩いて15分だから… 走れば余裕だね 母の作った弁当をもって朝食は食べずに家を出た 学校に着いて自分のクラスの戸を開けるとクラスメイトは皆、既に席に座っていた 担任も教卓に立ってこっちを見てる… 僕、何か悪いことしたかな? 戸を開けたままその場で考える するといつまでも教室に入って来ない僕を見かねて担任が 「どうした?まだ遅刻じゃないから早く席に座りなさい」 「あ、はい。すみません」 その声でやっと思考の世界から帰って来た僕はとりあえず担任に謝って席まで小走りで向かった HRが終わって1時限目の準備をしていると肩をポンと叩かれた 「よう!今度の週末空いてるか?」 「あのさ、当然のように話しかけるの止めてくれないかな。暦は三年でここは一年の教室だよ?なんでホームルームの直後に居るのさ?」 今話し掛けてきたこいつは小学生の時からの友達、年は違うけど家が近所だからよく一緒に遊ぶ一応先輩だ まあ幼なじみというやつかな 「いやぁ~実はさ、梓や心とかと話してたんだが、お前の入学祝いをしてないなってことに気付いたんだよ。つー訳で飯食いに行くぞ」 「入学祝いって…。もう5月だよ?どーせ梓ちゃんあたりが『なんか騒ぎたいけど理由がない…あ、そういやあいつの入学祝いまだだ!それに乗っかろう!』とか言い出したんじゃない?」 梓、心というのは暦と仲の良い女子二人組である 僕とも幼なじみである 因みに皆同じ高校三年生だ そして皆がいるからという理由でこの高校を選んだのは僕だけの秘密である 暦にはバレてるっぽいけど… 建前的には一番家から近い進学校だからである 「ああ、まったくその通りだ。駅前の焼肉屋だぞ。もう予約はしてあるからな。金は心配すんな、奢ってやるから」 「はぁ…暦も大変だね…そういうの行くとき絶対奢らされて。財布大丈夫?」 「ま、食い放題の店だからな、大丈夫さ。こんな時でもなきゃなんも使い道ねえし」 と満面の笑みで言う こいつのこういう所凄いって思う バイトして貯まったお金を親にほぼ全額渡してるのに、残ったお金もほとんど僕らと遊んで無くなっちゃうし
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