君のスイッチ

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 ……彼女の“スイッチ”とは何だったのだろうか。そのスイッチが、彼女を内戦の取材へと敢行させたのだろうか。ならば、彼女は死は僕の責任という事になる。あの夜、彼女の“スイッチ”が僕にも見えていたら、未来は変わっていたのかもしれない。だが、残念ながら人間はそのように出来ていない。本当に残念だけれど、絶対にだ。  ――今日もニュースでは、彼女の本名がアナウンサーやコメンテーターの口から呼ばれている。今では誰も彼女を“マーヤ”だなんて呼ばない。誰も呼ばない。  ~終わり~  
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