永遠

1/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ

永遠

学校もなんなくこなし 薬局によって昨日使いきったコンドームを買いにいった こだわりはとくになかった なぜなら相手がどうでもいいやつらばかりだから 感じたいと思うわけでもないし、翻弄されたいと思うわけでもないから ただ子供ができるのはごめんだから 大体しっかりしてない男ほどコンドームをする習慣はない 責任持てないやつほど適当 そして男からしたらどうでもいい女の私にとなれば余計に適当 だからここだけは私がやるしかない 頼りない、つまんない、冷たい男どものために 私は1000円をレジで支払うとさらに足早にコンビニに入り、ビールを6本買った お酒は弱かったが好きだった 何もかもが麻痺して わからなくなって どうしようもなくなって 日々押さえつけられて頑なに露出を拒む本当の自分に会えるから 私はこれを一人遊びと呼んだ この日も一人遊びに没頭した まずビールを一本一気に飲み干した ビールの炭酸が喉をブクブクと通ってゆく様は溺れる人の息の泡が水面に浮かぶようにせつなく、儚く、毒々しく、また美しい様子を思わせた すぐに一本飲みきると冷蔵庫からまた一本取り出した 部屋の電気を消し微かな電気製品の音に耳を澄ませた 私は小さなころから静かに耳を澄ませ、音を楽しむのが好きだった それと同時に絶対に無音にならないことを不思議に思った 何も音をたてていないのに決してなくならない 与えていないのに返ってくることに妙な違和感を感じた しばらくビールが喉を通り抜けていく感覚に熱中したがすぐに元彼の顔が浮かんだ 元彼はみんなに好かれる中心的な存在だった リーダーシップに優れていてよく友達とその彼女達とゆうような10人をゆうに越える大人数でバーベキューやイベントを企画していた 私が彼に出会ったのは何も怖くなかった高校生になりたての春だった その頃私は彼氏に好きな人ができたと振られ、自暴自棄になっていた 彼氏を責め立てたりはしなかった なぜなら好きな子は私の親友のゆき 私はゆきの気持ちにも彼氏の気持ちにも気づいていたのに気づかないふりをした なぜなら私も離したくなかったから 誰より面倒見がよくてしっかりしているゆきに甘えた。 そんな素敵なゆきだから彼氏が惚れるのも仕方ない そう思った そんな時だった
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!