始まり

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そんな時間が数分続いた後、私はそそくさと起き上がりタオルを手にしてバスルームへむかった 私はまだ慣れない大学に行くための服を何にしようかと考えながらもくもくと体を洗った バスルームをでると男はひどく美しい体を私の狭いベッドに横たわらせ携帯電話をいじっていた 『私すぐ支度して出るから』 『ぢゃあ俺も詩織と一緒にでるね』 そうゆうと男は携帯電話を閉じて歯ブラシのある洗面台へと向かった 私は横目でそれを確認すると手短に化粧を済ませ、家を出た 『私こっちだから』 男は名残惜しそうに手を振った 私もまた名残惜しそうに手を振った 面倒くさ 早く行かないと遅刻するんだけど 急いでいる私は 『ごめん、また後で連絡する』 といって慌てたふりをして足早に去った これは私の決まり文句 どうやらまた後でとゆうのは人によっては1日以内、または数日の間にはという意味で捉えるらしいのだから私にはそんな意味はない また後で=またいつか 実に便利な言葉 連絡しなくてもするとは言ってないし、しても構わない 俗にいう自由人という部類の私にはちょうどよい返事だった 私は学校に向かう途中、ランドセルを背負った小学生を横目に元彼を思った こんな朝早く起きてないんだろうな 基本夜更かしだし 昨日も飲んだのかな 彼女とうまくいってるのかな 昨日あんなやつに抱かれるくらいなら一人でいればよかったかな でもそうするとまた寂しくなっちゃうし、今日はこれでよかったか あー満たされない やっぱ昨日の男は違うかも あそこはでかいしセックスもうまいけど やっぱり私が満たされないってことは多分違うんだろうな 私も面食いならよかったのに
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