要の部屋

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「ちわ~っす♪」 「お邪魔しまぁす❤」 敦と沙希がリビングへ通され、部屋が一気に賑わい出す。 「いらっしゃい、好きに座って」 要は眼を細め、 「…大樹、そろそろ帰っても良いよ?」 「要さんっっ!!」 すかさず、カウンターの向こうから芽依の声が飛ぶ。 「要さん、ホント大樹くんの事、好きっすよね~」 敦が愉しそうに笑った。 「…面白いからね」 「何か小学生レベルの愛情表現に感じますけど?」 芽依がお盆にお茶のセットを乗せて運びながらぼやく。 「あ、芽依先輩、お手伝いします♪」 沙希が芽依の作業に加わった。 「大樹くん、嬉し泣き?(笑)」 美奈子が大樹の背中をさすっている。 「そう言えば隆之さん達は?」 「ん―、洋ちゃん所に寄るって言ってたから、遅くなるんじゃない?」 敦の問いに要が答えた。 「洋ちゃんさんって素敵ですよね~❤」 「うんうん、大人の魅力~❤」 沙希と美奈子が瞳を輝かせ、 カップにお茶を注ぎながら芽依もそれに加わる。 「あのヒゲがまた良いよね~♪」 「…ふぅ―ん、髭、好きなんだ?」 要は、横で膝を付いてポットを傾けている芽依の括(クビ)れを撫でた。 「ひぁっ!? ちょっ!!要さんっ!!危ないっ!!」 「…要先輩、絶対に今、髭生やそうとか考えてません?」 大樹がおもむろに口を開く。 「なんで判ったの?」 ジタバタする芽依を片腕で抑えながら、不思議そうな眼を向けた。 ――やっぱりか…。 4人は同時に心の中で呟く。  
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