要の部屋

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「要さんと大樹くんって、中学から一緒なんですよねぇ?」 美奈子が眼をクリクリさせて口を開いた。 「そうなんですか?」 美奈子達が持って来てくれたケーキを楽しそうに選びながら、 芽依が要に首を傾げる。 ――またこんなあどけない顔して…。 犯されたいのか? 「…まぁね」 「なんで眼を逸らすんですかっ!?」 要のホッペタを摘む。 「クスッ、何か今日は強気だね?」 「…何かお邪魔みたいですねぇ」 美奈子がニヤニヤしながら零す。 「そっ、そんな事…っ!!」 芽依は顔を赤らめて要の頬から指を放し、物色作業に戻った。 「隆之さんや敦くんとも中学からのお友達なんですよね?」 美奈子は大樹の皿にモンブランを乗せてやる。 「ん―、そうだよ。 因(チナ)みに敦は大学別だけど、他は同じ大学」 要はブルーベリータルトとフルーツがふんだんに乗ったショートケーキで悩んでいる芽依に、 「俺がこっちにするから、そっちにしたら?」 と助け船を出してやる。 芽依の表情がパァ―っと晴れる。 ――相変わらず面白いな…。  
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