要の部屋

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「そもそも、今日は何の集まりなんですか?」 「今度は颯斗を締め上げようって計画っすか?」 沙希と敦が買い込んで来た菓子をテーブルの上に広げる。 「…うん、それも良いね」 「……なっ!?」 またしても黒い笑みを見せる要を振り返り、 芽依はポッキーへ伸ばしていた手を止めた。 「面白そうっすね」 大樹の声に沙希と美奈子までもが頷いて、灰色の笑みを浮かべている。 ――魔王の生き血でも呑まされたのか…? 魔王の申し子…僕(シモベ)達は、 何やらヒソヒソとやっている。 「…ちょっ、ちょっと待った!」 芽依は慌てて手を割り込ませた。 「…なに?またアイツを庇うの?」 深い深い闇の瞳が芽依を見据える。 「ちっ、違いますっ!」 ――頑張れっ、私ぃ! 「…きょ、今日は、乙葉さんに集まる様に言われたんでしょう?」 芽依は生唾を呑み込んだ。 「…あぁ、あのヘタレね」 「要先輩、それは言い過ぎっすよ…クスッ」 大樹が紅茶の香りを楽しみながら軽く止める。 「だってアイツの無力と無能さのせいで、俺と芽依ちゃんの激しいセッ……ムグッ」 「キャアァァァ―――!!」 芽依は慌てて要の口を塞いだ。 「何のお話し?」 美奈子がちょこんと首を傾げる。 「…大人な話し」 大樹がカップに口を付けながら頬を赤らめた。 「まぁ、アレは激し過ぎよね」 「そう?オレはオッケーだけど」 沙希と敦はポリポリとスナックをかじりながら要と芽依を眺めている。 「…よ、読んだの?」 「バッチリ❤」 沙希と敦は芽依に意地悪く微笑む。 「…………っ!!!」 「芽依ちゃん、耳から煙が出てるよ?」 要が面白そうに耳元へ囁いた。  
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