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ジリリリリ――――
魔法という便利なものができ、魔法文明の時代になろうとも、朝起きる方法は科学文明の中でも画期的な目覚まし時計を使うというところに変わりはない。
「後……ごふん……」
朝、けたたましい目覚ましの音に起こされ、そんなありがちな事を口にした少年は九重宗太(ココノエソウタ)。
宗太がそう言って目覚ましを止めると、彼の部屋の扉が壊れそうな勢いで開かれ、一人の少女が鬼の形相で彼の布団を引き剥がす。
暦の上では春なのだが、まだ気温はやや低い。
「ごふん、じゃないわよ!さっさと起きなさい!」
彼女は、彼の幼なじみの聖命(ヒジリミコト)。
今までも、毎日のようにこうして宗太を起こしてきた。
特に今日は高校の入学式であるため、普段よりも少し語気が強い。
「あぁ、みこちゃん。おはよ」
かくして命に起こされ、ようやく目を覚ました宗太は、そう言ってさっさと顔を洗いに部屋を出た。
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