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それはある日の事………
体調が万全でない事を朝から気付いていた……
「そろそろ学校に行かなきゃ……」
既に3時間目…
(…大丈夫なの、凄い辛い…重い…)
「でも行かないと…母が帰って来てバレると怒るし…」
重い体を持ち上げ、私は登校した。
変わらない教室と同級生達……
授業中、無理して登校したせいか頭痛が激しく止まらない。
むしろ、酷くなる一方……
頭が割れそうに痛い……
それに何だか吐き気もする。
何かが、喉で詰まっている感じ……気分が余りにも悪すぎる…。
(無理……横になりたい…)
私は、4時間目終了直後に保健室へ向かった……
保健の先生は、すんなりとベッドを貸してくれた。
「……ダメだ…。横になっても気持ち悪い…」
(……吐きそうなのに吐けない…)
‐…眠れない……
眠りたいのに…
頭痛と吐き気が邪魔をする…
グルグルと同じ所を回る感覚……
下校時間になっても、体調が戻らない私…
それを聞き付けた、校長先生がやって来た…
「まだ戻らんのか?大丈夫か??」
私は話す気力さえ奪われていた。
「………」
無言で見つめ返した。
(…心配してるんだ)
そんな私を見て校長先生は、言った言葉…
「近くの病院に連れて行こう、顔色も悪いし病気かもしれん」
(病気………心配しすぎだよ)
少し、くすぐった感情が芽生えた。
「私が連れて行ってあげるから、もう少し頑張りなさい」
優しい言葉………
何て暖かい温もり…
徒歩で自ら私を背負う、校長先生の背中は優しくて嬉しく思えた…
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