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母は私と兄を育てる為に、ずっと仕事漬けの毎日を過ごしていた……
幼いながらの私は、いつも保育園で皆が帰って行く中、独り取り残されたままだった。
私が母を待つ時間は、いつもいつも大好きな白い画用紙にクレヨンを使っての落書きに近いお絵かき。
没頭する事で、私はそれに楽しさを見出だしていた。
母が決まって迎えに来るのは、20時~21時。
私は慣れていた反面、何処か寂しさもあった…
「私達の為に、頑張ってるんだ」
幼心にそう思った。
そんな、お母さんが大好きで大切だった。
新しいお父さんも出来るから、「私は幸せなんだ」って思いもした。
しかし、元から母の職場の異動により引っ越し多き私は友達が出来ても、直ぐに離ればなれになってしまっていた。
この場所で居たかった。
きっと、私が落ち着ける場所はここだったから…
何回目の引っ越しだろう…
私が、小学2年生の3学期…
5回目くらいの引っ越しで、私の環境も何もかも全てが変わっていく…―
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