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突然、辺りが暗くなった。
怯えるアルマをアグノスがそっと抱きしめる。
「大丈夫だアルマ、怖がらなくていいよ」
「なにか悪い事がありそう・・・お兄ちゃん怖いよぉ」
仕方ない。アグノスは思いついた。
「アルマ、家のテーブルの下で隠れててくれないか?俺、空が明るくなるように神様にたのんでみるよ」
「君は・・・アグノス君かな?」
あやしい恰好の男が尋ねてきた
「おじさん、誰?」
アグノスは表情を固めた。
「私は、君さえついてきてくれればいいのだよ。ついてきてくれたら、暗い空を晴れにしてあげよう」
(アルマが喜んでくれるなら・・・)
「でも、俺が居なくなったらアルマが悲しむんだ」
「心配はいらないよ。すぐ戻ってこれるからね、三分くらいかな」
「わかったよ、ついてくよ」
だが、
アグノスは二度と戻っては来なかった。
アルマは近所の人たちに聞いてまわった。
しかし、あやしい恰好の男を見たものはいなかった。
アルマの住んでいる地域はグランダリス領だったので、城に行き、女王に修行のために住まわせてほしいと頼んだ。
女王は許可し、王女であるルーザと毎日を過ごした。
「王女様ぁ、お姫様ごっこしましょ」
「えΣ( ̄□ ̄)!私お姫様なんだけど」
それから・・・・・・・・・・・アルマは成長し、この時18歳。
子供っぽさは無くなり、美麗な少女という容姿になった。
また、剣の腕も一流になり、それからは修行の旅に出る事にした。
そして、その日から五年が過ぎた・・・
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