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プロローグ-side alma-
今ではありえないくらい女の子の遊びに熱中していた少女、アルマ。
その少女の面倒を見る兄アグノス。
兄弟は実に仲がよかった。
のちに最悪の出来事が起こるまでは。
「見てぇおにいちゃんタンポポの髪飾りぃ」
ほどほどのサイズはある髪飾りを兄に見せた。
「なんだよそんなもん、タンポポは首チョンパして遊ぶもんなんだぜ」
「だめぇおにいちゃん、お花痛がるでしょ」
半泣きだったので、アグノスは仕方なく髪飾りを返した。
両親は、不治の病に冒され、もうこの世には存在しない。
アグノスだけがアルマの支えだった。離れてはいけないのだ。
一方、その頃
「この二人の幼子は素晴らしい。魔素に素養があるとはいえ、含有量が異常だ」
かの者が、何かよからぬ事を企んでいるようだ。
「両親は消しといて正解だったな。後は娘か小僧を頂くか」
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