【薄紅色】

2/5
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
「すごい綺麗。これって桜?」   「違う。梅の花」   学校帰りに、友達が家に寄るのはいつものことだった。   二人で他愛のない話をダラダラするだけなのも、またいつものこと。   「そういえばさ、死人桜って知ってる?」   意味ありげな笑みを浮かべて、友達が尋ねる。   「あぁ、なんか薄紅色の桜の木の下には、死体が埋まってるとかいう、怪談?」   「そうそう! その死体の血を吸った桜は、ピンク色の花を咲かせるって話」
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!