のんちゃんとママ

3/4
前へ
/4ページ
次へ
「そのタネは、ふしぎなタネなの。 足がはやいタネだったり、 なわとびが上手になるタネだったり、 およぐのが上手なタネだったり」 ボクは、がっかりしました。 「ボクは、どのタネももらってないよ。 走るのはキライだもん。 なわとびニガテだもん。 およぐとしずんじゃう・・・」 「のんちゃん、まだまだあるのよ。 やさしさのタネ、思いやりのタネ、がんばりさんのタネ、たくさんあるの。 みんな一つぶのタネをもらうのよ。 でもね、花がお日さまや水がなければ育たないように、のんちゃんのタネものんちゃんが育てなくっちゃ芽をださないの」 「ママは、どんなタネをもらったの?」 ママは、ガッツポーズをしました。 「ママは、どんなことがあってもまけないタネ。 何があってものんちゃんと赤ちゃんを守るためにね。 大人になると、いろいろなことが山のようにあるの。 楽しいことも悲しいこともね。 何があってもまけないように、 子どものころにたくさんあそんで、いろいろなことを勉強するのよ。 のんちゃんわかる?」 「ウ~ン」 ボクは、うでぐみしました。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加