31/31
555人が本棚に入れています
本棚に追加
/137ページ
     「願い」 どう足掻いても、 私はあの人が好きで それを認めようと思った 何もかも、壊すのは簡単 でも壊した所で何も変わらなくて 悪い方にしか転ばない あの人の瞳が 疑念と嫌悪に変わるのが恐かった あの人の眼に 憎悪と軽蔑で見られるのが恐かった 悔しかった 悲しかった 「あの日々は何だったのか」 全てが嘘に感じた 何もかもが変わってしまったと けれど 変わってしまったのはあの人ではなく 私だった あの人は鏡の様に私の変化を映しただけ あの人の笑顔を見て力が抜けた あの人の笑った顔が好き たまらなく好き だから あの人には笑っていて欲しいと思った この笑顔を見ていたい…と 私に優しい気持ちをくれたのは あの人の笑顔 あの人の笑顔があれば耐えられる あの人の笑顔があれば頑張れる 神様どうか どうか私からあの人の笑顔を奪わないで下さい せめてあの人の笑顔だけでも 私に残して下さい…    
/137ページ

最初のコメントを投稿しよう!