春舞う蝶か夢の蛾か

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あでやかに舞う蝶に 思わず嫉妬を抱き 気付かずに戸惑いの 淵を漂う私は 同じ鱗粉を纏いながらも 蝶にはなれず 蛍光灯に向って そのまま変われぬ私がそこに ただそこに・・・ 夢は光に包まれて 何をも恐れず 浸り尽くすこと 求めるがゆえ 青白く 細い光に 私は魅かれ 息をつく ただ ただ 魅かれ 時を止める 私は夢を見る みにくい蛾で この姿 この毒を 憎むこともできるけど 夜の光をうけて 羽ばたくからだは 憎しみよりも美しいと 感じている だから・・・ そのまま変わらぬ私がここに ただここに・・・ 夢は光に包まれて 何をも恐れず 浸り尽くすこと 求めるがゆえ 青白く 細い光に 私は魅かれ 息をつく ただ ただ 魅かれ 時を止める 夢か現か揺れ揺られ 狂れる羽音は どこまでも響いて 身を焦がすような 青白く 細い光に 私は魅かれ 息をつく ただ ただ 魅かれ 闇に溶ける あでやかに舞う蝶に 思わず嫉妬を抱き 気付かずに戸惑いの 淵を漂い続ける
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